くまクリニックでは、毎月集団栄養指導を行っています。
【実施日】2022年2月22・23日
テーマ:リン
2月の透析食講座は「リン」についてお話をさせて頂きました。
リンは体にとってちょうど良い量が決まっており、主に腎臓がその調整を行っています。
健康な腎臓をもっている人は量を調整してくれますが、透析患者さんは腎臓がほとんど機能していないため、リンを排泄できず体内に蓄積し、高リン血症になってしまいます。
体内の余分なリンは透析療法で除去できますが、除去できるリンの量には限界があります。そのため、薬物療法やリンを含む食事を調整することが必要になります。
高リン血症の状態が続くと、カルシウムとリンが血管内で石灰化を起こし、動脈硬化を引き起こすことがあります。
また、血清リン値が高いほど、死亡リスクが高くなることが知られています。
なので、透析患者さんはリン管理がとても重要になってきます。
無機リンの吸収率は90%を超えます。
加工食品に含まれる添加物のリン(無機リン)は吸収率が高いので、食べる際にはなるべく多く切り込みを入れ、茹でこぼして添加物を少しでも除去しましょう。
また、リン酸塩と㏗調整剤の表記のない商品はリン含有量が少ないことも報告されています。加工食品を購入する際はぜひ確認してみてください。
水産加工食品(かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げなどの練り製品)にもこうした添加物は多く含まれています。おでんや煮物などに多く使われる製品なので、食べる量には十分気を付けましょう。
その他にリン摂取を減らすポイントは、
●乳製品を控えること
●骨まで食べられる魚の食べる頻度を減らすこと
●種実類(ナッツ類、ごまなど)を食べ過ぎないようにすること
●リン吸着剤を飲むタイミングには気を付けること
などがあります。
何事も食べる量が大事なので、食べ過ぎないよう気を付けましょう。
≪展示食≫
●炊き込みご飯 ●鮭のみりん焼き
●和ドレ和え ●厚焼き玉子 ●果物
★炊き込みご飯★
<材料>(2人分)
・米 1合
・ツナ缶 20g
・しいたけ 10g
・人参 20g
・薄口醬油 小さじ1
・濃口醤油 小さじ1/3
・酒 小さじ1強
・いんげん豆 10g
<作り方>
① 米を洗米し調味料を加え、炊飯器の1合の目盛りに合わせて浸しておく。
② 椎茸は石づきを切り取り、半分に切ってさらに6等分にし、さっと茹でる。
③ 人参はみじん切りにし、さっと茹でる。
④ いんげん豆は茹でこぼしをし斜め切りにする。
⑤ ①に油を切ったツナ缶と②③とを加え、炊き上げる。
⑥ 炊き上がったら茶碗に盛り、いんげん豆をのせる。
【1人分の栄養価】
エネルギー:274kcal
たんぱく質:6.4g
カリウム :124mg
リン:79mg
食塩 :0.7g
水分:117g
★鮭のみりん焼き★
<材料>(2人分)
・鮭 120g(2切れ)
・濃口醬油 小さじ1と1/3
・みりん 小さじ1
・砂糖 小さじ1
・出汁 20cc
・油 小さじ1
付け合わせ
・小松菜 40g
・さつま芋 40g
・濃口醬油 小さじ1/3
・酒 小さじ1/3
・みりん 小さじ2/3
・かつお昆布だし 20㏄
<作り方>
① 鮭の水気をキッチンペーパーでとったら調味料に漬け込む。
② 漬け込んだら、フライパンに油を入れ焼いていく。
③ 付け合わせの小松菜は3㎝幅に切り茹でこぼす。
④ さつま芋は輪切りにし1度茹でこぼしたら、鍋にさつま芋と調味料を入れ甘露煮を作る。
⑤ 皿に②でやいた鮭と小松菜、さつま芋の甘露煮を添える。
【1人分の栄養価】
エネルギー:215kcal
たんぱく質:13.0g
カリウム :378mg
リン:172mg
食塩:0.4g
水分 :55.4g
★和ドレ和え★
<材料>(2人分)
・かにかま 10g
・きゃべつ 40g
・大根 60g
・食塩 0.2g
・薄口醤油 小さじ1/3
・酢 小さじ1と1/2
・砂糖 小さじ1
・油 小さじ1/4
<作り方>
① かにかまはさっと茹でこぼし、割いておく。
② きゃべつは太めの千切り、大根は細めの短冊切りにし、それぞれ茹でこぼす。
③ 調味料を合わせたら、①②をいれたボウルに混ぜ合わせていく。
④ 皿に盛る。
【1人分の栄養価】
エネルギー:27kcal
たんぱく質:1.1g
カリウム :88mg
リン:13mg
食塩:0.4g
水分 :55.4g
<1食の合計>
エネルギー:579kcal
たんぱく質:25.3g
カリウム :674mg
リン :335mg
食塩 :2.4g
水分 :312.7g
※厚焼き玉子の栄養価も含まれています。
毎日食事を考えるのは大変なことだと思います。
いつもと違ったメニューを作ってみませんか?
是非、ご家庭で作ってみてください!
管理栄養士 川井康子・島松千智
医療と介護の連携を実現した安心・安全の理想の住まい。
福岡市博多区銀天町のサービス付き高齢者向け住宅・メディケアホーム南福岡です。
隣接のくまクリニックへの通院透析等、様々な病状に対応可能。
お問い合わせは092-558-6021(メディケアホーム南福岡代表)まで