<透析食シリーズ>9月 「塩分対策」

くまクリニックでは、毎月集団栄養指導を行っています。

【実施日】2021年9月20・21日

テーマ:塩分対策





9月の透析食講座は「塩分対策」についてお話をさせて頂きました。





日頃のお食事で「そんなに塩分をとっているつもりはない」と思われる方もいると思います。しかし、何気ないところで塩分を摂取していることも多く、気づかないうちに塩分を過剰摂取している可能性があります。今回はなぜ塩分を控える必要があるのか、塩分を控えるにはどうすればよいのか、代用できる調味料や調理方法について確認していきました。

透析患者様は食塩を過剰に摂取すると、のどの渇き、水分の過剰摂取による体重増加につながります。尿量がない分、体内に余分な水分が溜り血液透析の除水量が増加すると、透析中の血圧が下がり、体調が悪くなることがあります。また、血液中の水分量が増えることから、高血圧を引き起こす原因にもなります。




塩分1gの調味料は一体どのくらいなのか、目で見て確認していただきました。







日頃食べている食品にどのくらい塩分が入っているのか、またどのようにすれば塩分を控えることができるのかをお伝えしました。














 

 

≪展示食≫



●栗赤飯 ●鯛の潮汁

●紅白なます ●盛り合わせ ●果物


 

★栗赤飯★


<材料>(2人分)
・小豆          15g
・米           80g
・もち米         60g
・塩        ひとつまみ
・栗(甘露煮)      15g


<作り方>
① 水を張った鍋に小豆を入れ火にかける。沸騰したら一度茹でこぼして水を足し、再度火にかけ、少し柔らかくなってきたら火を止めて、茹で汁は捨てずに冷ます。
 ② 米を洗い、小豆を米と合わせ、小豆の茹で汁を一合の目盛まで入れたら、塩を入れて炊く。
 ③ 栗(甘露煮)をきざみ、炊きあがったご飯に混ぜる。




【1人分の栄養価】


エネルギー:332kcal
たんぱく質:6.0g
カリウム :108mg
リン:66mg
食塩 :0.5g
水分:96.9g















 

★鯛の潮汁★


<材料>(2人分)
・真鯛     2切れ(80g)
・水          300ml
・昆布         1枚
・酒       小さじ2/3
・食塩      ひとつまみ
・薄口醤油    小さじ2/3
・みりん     小さじ1/3
・生麩         2つ
・貝割れ大根      10g


<作り方>
① 鍋に出汁、酒、食塩を入れ食塩が溶けるまで混ぜる。
② ①に昆布を敷き、上から鯛を皮を下にして入れ10分置く。その後火にかけ少し温まったくらい(40℃)で鯛を裏返し蓋をする。
③ 沸騰しない程度に温まったら5分程おいて鯛だけ一度取り出し、再度加熱する。
④ ③をキッチンペーパーを敷いたザルでこして鍋にとり、醤油、みりんで味を調え再び火にかける。
⑤ お椀に鯛を入れ④を流しいれる。上に下茹でした貝割れ大根と生麩を加えて出来上がり。




【1人分の栄養価】


エネルギー:95kcal
たんぱく質:10.7g
カリウム :228mg
リン:118mg
食塩:0.7g
水分 :194.2g














★紅白なます★


<材料>(2人分)
・大根         50g
・人参         10g
Ⓐ・食塩        0.4g
Ⓐ・酢       小さじ1
Ⓐ・砂糖      小さじ1
・かつお節    ひとつまみ


<作り方>
① 大根と人参は皮をむき千切りにし茹でこぼしたら、水気をきる。
② ①にⒶを入れ和える。
③ ②を器に盛り、上にかつお節をのせる。



【1人分の栄養価】


エネルギー:15kcal
たんぱく質:0.1g
カリウム :76mg
リン:6mg
食塩:0.1g
水分 :33.9g














 

★盛り合わせ★


<材料>(2人分)
有頭えびの含め煮
・えび          60g
Ⓐ・出汁         20g
Ⓐ・薄口しょうゆ  小さじ1/2
Ⓐ・酒       小さじ2/3
Ⓐ・みりん     小さじ2/3
Ⓐ・上白糖     小さじ1/3


三色巻き
・鶏もも肉        80g
・人参          20g
・ごぼう         20g
・いんげん        10g
Ⓑ・出汁         40g
Ⓑ・しょうゆ     小さじ1
Ⓑ・酒       小さじ2/3
Ⓑ・みりん     小さじ2/3
Ⓑ・砂糖      小さじ2/3


・ぶなしめじ       20g
Ⓒ・出汁         30g
Ⓒ・薄口しょうゆ  小さじ1/3
Ⓒ・みりん     小さじ2/3
・絹さや          5g


<作り方>
★有頭えびの含め煮
① 有頭エビは、背の真ん中から爪楊枝を差し込み、背わたを取る。
② 頭と尻尾を合わせるように、背中を曲げ、爪楊枝で刺して固定する。
③ 鍋にⒶを入れて中火に熱し、ひと煮立ちしたら②を加えて弱火にし、4分程煮込む。
この時、アクが出る場合は取り除く。
④ 火を止め、ゆっくりと煮含めるように常温で冷ます。


★三色巻き
① 鶏肉はそぎ切りにし開き、皮をしたにして叩いて広げる。
② ごぼうはよく洗い皮を包丁の背でこそぎ落とし鶏肉と同じ長さに切る。縦1/4にカットして酢水(分量外)に15分ほど浸ける。
③ お湯を沸かし酢水に漬けたごぼうを流水ですすぎ柔らかくなるまで茹でる。
④ 人参も一本を半分にカットして短冊切りにして、茹でこぼしする。
⑤ いんげんは筋取りをして下茹でする。
⑥ 鶏肉にごぼう、人参、いんげんをのせて巻きタコ糸を巻いく。
⑦ 鍋にⒷを煮たたせ、⑥を入れて落し蓋をし10分ほど煮る。
⑧ 出来上がった⑦を6等分に切る。


★しめじ
① しめじの石づきを切り落とし、茹でこぼす。
② 絹さやの筋をとり、茹でこぼす。
③ 鍋にⒸを入れ煮立ったら①を加えて煮る。

皿にできあがった有頭えびの含め煮と三色巻きとしめじを並べ、②を添えて出来上がり。




【1人分の栄養価】


エネルギー:254kcal
たんぱく質:23.6g
カリウム :643mg
リン:352mg
食塩:1.3g
水分 :198.7g




































<1食の合計>


エネルギー:696kcal
たんぱく質:40.4g
カリウム :1055 mg
リン :542mg
食塩 :2.6g
水分 :557.5g


 
  


9月21日は「敬老の日」ということで、いつもより華やかなお食事です。
少したんぱく質が多いので、夕食はたんぱく質を控えめにしたメニューにされることをお勧めします。
こちらの献立を参考にぜひ一度、献立を参考に作ってみてください★

  管理栄養士 川井康子・島松千智


医療と介護の連携を実現した安心・安全の理想の住まい。
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