くまクリニックでは、毎月集団栄養指導を行っています。
【実施日】2020年7月20・21日
テーマ:リンについて
7月の透析食講座は「リンについて」お話をさせて頂きました。
リンは体にとってちょうど良い量が決まっており、主に腎臓がその調整を行っています。
健康な腎臓をもっている人は量を調整してくれますが、透析患者さんは腎臓がほとんど機能していないため、リンを排泄できず体内に蓄積し、高リン血症になってしまいます。
体内の余分なリンは透析療法で除去できますが、除去できるリンの量には限界があります。そのため、薬物療法やリンを含む食事を調整することが必要になります。
高リン血症の状態が続くと、カルシウムとリンが血管内で石灰化を起こし、動脈硬化を引き起こすことがあります。
また、血清リン値が高いほど、死亡リスクが高くなることが知られています。
なので、透析患者さんはリン管理はとても重要になってきます。
今回は食品のリン含有量をグラフにして、食品のリンの量について再確認していただきました。
無機リンの吸収率は90%を超えます。
加工食品に含まれる添加物のリン(無機リン)は吸収率が高いので、食べる際には茹でこぼして添加物を少しでも除去しましょう。
≪展示食≫
●ご飯 ●海老フライ
●キャベツのドレッシング和え ●ラタトゥイユ ●果物
★海老フライ★
<材料>(2人分)
海老フライ(衣付)・・・4尾(120g)
サラダ油・・・ 20g
◎タルタルソース
・胡瓜・・・10g
・卵・・・10g
・マヨネーズ・・・大匙2と1/2
・穀物酢・・・小匙1
・こしょう・・・適宜
・食塩・・・適宜
○付け合せ ・レタス・・・10g
・トマト・・・ 40g
・レモン・・・ 10g
<作り方>
①海老フライは170℃の揚げ油で2~3分かけて揚げる。
②胡瓜はみじん切りにし、茹でこぼす。
③鍋に卵を入れ全体が浸る程度に水を入れ、沸騰してから10分間そのまま茹でる。10分経ったら火を止め、お湯を切って水で冷まし殻をむく。
④③のゆで卵を潰し、②の胡瓜、マヨネーズ、酢、こしょう、塩を合せる。(タルタルソース完成)
⑤レタスは食べやすい大きさにちぎり水にさらす。
⑥トマトは8等分のくし形に切る。
⑦器に①を盛り付け、④のタルタルソース、⑤のレタスと⑥のトマト、くし形に切ったレモンを添える。
【1人分の栄養価】
エネルギー:298kcal
たんぱく質:7.2g
カリウム :156mg
リン:139mg
食塩 :0.9g
水分:87.1g
★キャベツのドレッシング和え★
<材料>(2人分)
鶏むね肉・・・60g
キャベツ・・・60g
○ドレッシング
・フレンチドレッシング・・・20g
・穀物酢・・・小匙1/3
・上白糖・・・小匙1強
貝割れ大根・・・10g
<作り方>
①鶏むね肉は蒸すか茹でるなどで火を通し、細切りにする。
②キャベツは鶏むね肉に合わせて細切りにし、さっと湯通しする。
③貝割れ菜は根元を切り落とし、1/2の長さに切り湯通しする。
④Aを合わせ、①②を加えて皿に盛りつけ③を散らす。
*一言*
市販のドレッシングに酢と砂糖を加えることで塩分を控えることができ、少し酸味の効いた夏バテでもさらっと食べられる仕上がりになっています。
【1人分の栄養価】
エネルギー:88kcal
たんぱく質:7.1g
カリウム :139mg
リン:69mg
食塩:0.3g
水分 :61.2g
★ラタトゥイユ★
<材料>(2人分)
ベーコン・・・20g
なす・・・60g
南瓜・・・40g
玉葱・・・30g
人参・・・10g
しめじ・・・10g
オリーブ油・・・小匙1と1/2
ホールトマト缶・・・30g
固形コンソメ・・・1/2個
濃口しょうゆ・・・小匙1/3
料理酒・・・小匙1弱
みりん・・・小匙2/3
こしょう・・・適宜
<作り方>
①ベーコンは1cm幅の角切りにし、茹でこぼす。
②なすは3cm幅の乱切りに、しめじは石づきを切り取り、子房に分け、玉葱は1cm核に切り、茹でこぼす。
③人参は5㎜幅のいちょう切りにし、茹でこぼす。
④南瓜は1cm幅に切り煮崩れない程度に茹でこぼす。
⑤オリーブオイルを引きベーコンを炒める。
⑥次に玉葱を炒め、しんなりしたきたら、なす、人参、しめじを加える。(中火)
⑦野菜の水分が出てきたら南瓜を加え、ホールトマト缶、コンソメ、しょうゆ、酒、みりんを加えて煮込む。
⑧煮立ったらこしょうで味を調え、火を止めて器に盛る。
【1人分の栄養価】
エネルギー:485kcal
たんぱく質:2.5g
カリウム :249mg
リン:58mg
食塩:0.8g
水分 :87.7g
<1食の合計>
エネルギー:753kcal
たんぱく質:20.6g
カリウム :580mg
リン :257mg
食塩 :2.0g
水分 :326g
海老フライでエネルギーを摂りつつ、サラダに鶏肉を使うことでたんぱく質も不足することなくとる事の出来るメニューです。
ラタトゥイユは夏の野菜をたくさん使ってフレッシュで彩り豊かな仕上がりになっています。
カリウムが少し高めなメニューなので、1日のほか2食でカリウムを少し抑えることによりカリウムの高めな季節の野菜もとり入れることができます。
水分も多めなメニューなので、朝食をご飯ではなくパンにすることをお勧めします。
是非、ご家庭で作ってみてください!
管理栄養士 川井康子・島松千智
医療と介護の連携を実現した安心・安全の理想の住まい。
福岡市博多区銀天町のサービス付き高齢者向け住宅・メディケアホーム南福岡です。
隣接のくまクリニックへの通院透析等、様々な病状に対応可能。
お問い合わせは092-558-6021(メディケアホーム南福岡代表)まで