くまクリニックでは、毎月集団栄養指導を行っています。
【実施日】2021年2月17・18日
テーマ:免疫
2月の透析食講座は「免疫」についてお話をさせて頂きました。
免疫とは、体内に入ってきた細菌やウイルスといった侵入者に対し、攻撃して排除する抵抗力のことです。
目に見えないウイルスは、いくら予防を頑張っても私たち体内に入ってきます。感染の危機にさらされたとき、私たちの最後の砦となるのが免疫力です。
免疫力は加齢や疲労、ストレスなどの影響で弱まります。ウイルスに勝つためにも免疫力を保つことや活性化することがとても大切になるのです。
近年注目されている成分が、免疫ビタミンとも呼ばれるLPS(リポポリサッカライド)です。
体内に侵入した細菌やウイルスを食べて消化、死滅させるはたらきをもつマクロファージ。そのマクロファージの受容体とLPSが結合することでマクロファージが活性化されます。
活性化されたマクロファージは血管を拡張させてくれる一酸化窒素を作る働きがあるため、血流の改善にも役立ちます。マクロファージが活性化することで、ウイルスが侵入した場合でも負けない体を作ります。
LPSはマクロファージのみならず、皮膚の表面のケラチノサイトにもアプローチし、肌荒れの炎症を抑える効果もあります。
免疫力を上げるには、腸内環境をよくすることが大切です。免疫細胞の70%は腸内の粘膜に存在し、体全体の免疫機能を支えています。
腸内を良好に保つためには善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7が理想とされています。
腸を健康に保つためには善玉菌を積極的に摂ることです。特に代表的な善玉菌である乳酸菌には、悪玉菌を減らして善玉菌を増やす作用があります。
乳酸菌は動物性と植物性があり、動物性乳酸菌は胃酸に弱く、多くが胃で死滅してしまいます。死滅しても善玉菌のエサとなるため、有効成分であることはかわりありません。
一方、納豆、酢、味噌、甘酒、ぬか漬けなどの発酵食品に多く含まれる植物性乳酸菌は、胃酸に強く生きたまましっかりと腸に働きます。
透析患者様はカラダに良いとされる食品でも偏りすぎるとかえって体に負担をかけてしまいます。
リンやカリウム、塩分に気をつけながらバランスの良い食事を心掛けましょう!
≪展示食≫
●ご飯 ●豚肉のトマトソース
●ポテトサラダ ●旨煮
★豚肉のトマトソース★
<材料>(2人分)
・豚肉 120g
・醤油 小さじ2/3
・薄力粉 大さじ1強
・サラダ油 大さじ1と1/2
・しめじ 10g
・玉ねぎ 60g
・赤ピーマン 10g
・こしょう 少々
・ケチャップ 大さじ1と1/3
・醤油 小さじ2/3
・酒 小さじ1
・みりん 小さじ1/3
・バター 小さじ1(4g)
・ブロッコリー 30g
<作り方>
① 豚肉と醤油を袋に入れ、味をつける。味がついたら薄力粉をまぶし、油をひいたフライパンで炒める。
② しめじは石づきをとり小房に分けておく。玉ねぎは半分にし8等分に切る。赤ピーマンも半分にし細切りにする。それぞれ茹でこぼしをしておく。
③ ブロッコリーも小房に分け、茹でこぼししておく。
④ ①に茹でこぼしをした②とこしょう、ケチャップ、醤油、酒、みりんを入れ炒める。
⑤ 炒めたら火を止め、バターを加えて余熱で溶かしながら炒め合わせていく。
⑥ ⑤と③を皿に盛る。
【1人分の栄養価】
エネルギー:293kcal
たんぱく質:13.7g
カリウム :335mg
リン:161mg
食塩 :1.0g
水分:100.8g
★ポテトサラダ★
<材料>(2人分)
・ロースハム 10g
・じゃがいも 60g
・胡瓜 30g
・塩 0.2g
・マヨネーズ 20g
<作り方>
① ハムは細めの短冊切り、胡瓜は半月切りにし、それぞれ茹でこぼす。
② じゃがいもは6等分ほどに切って湯がいたら、一度お湯をきり、再度火にかけ水気を飛ばし蒸かす。
③ ②のじゃがいもを潰したら①を加え、塩とマヨネーズを入れ混ぜ合わせる。
【1人分の栄養価】
エネルギー:109kcal
たんぱく質:1.7g
カリウム :145mg
リン:29mg
食塩:0.9g
水分 :42.5g
★旨煮★
<材料>(2人分)
・鶏もも肉 30g
・里芋 60g
・干し椎茸 6g
・人参 10g
・サラダ油 小さじ1
・醤油 小さじ1
・酒 小さじ2/3
・出汁 60ml
・みりん 小さじ2/3
・砂糖 小さじ1強
・冷凍グリンピース 10g
<作り方>
① 鶏肉は一口大にし、さっと茹でこぼす。
② 里芋は皮をむき4等分から6等分に切ったら塩を振りぬめりをとる。ぬめりをとったら水で洗い流し、下茹でする。
③ 干し椎茸は水で戻し、4等分に切る。
④ 人参は5㎜幅のいちょう切りにし、茹でこぼす。
⑤ グリンピースも茹でこぼしておく。
⑥ 鍋に油をひき鶏肉を炒め、醤油、酒を加えて火を入れたら里芋、椎茸、人参を加え出汁と残りの調味料を加えたら弱火で8分~10分ほど煮る。
⑦ 最後にグリンピースを加え、火を止める。
⑧ 皿に盛る。
【1人分の栄養価】
エネルギー:96kcal
たんぱく質:3.8g
カリウム :204mg
リン:56mg
食塩:0.4g
水分 :79.7g
<1食の合計>
エネルギー:754kcal
たんぱく質:23.0g
カリウム :728mg
リン :297mg
食塩 :1.6g
水分 :315.7g
豚肉のトマトソースはバターを最後に入れるようにしましょう。
最後に入れることで香りが飛ばず、風味の良い仕上がりになります。
どの食事も大切なのはバランスや食材の使用する量です。
偏りのないようバランスよく摂取するようにしましょう!
ぜひ一度、献立を参考に作ってみてください★
管理栄養士 川井康子・島松千智
医療と介護の連携を実現した安心・安全の理想の住まい。
福岡市博多区銀天町のサービス付き高齢者向け住宅・メディケアホーム南福岡です。
隣接のくまクリニックへの通院透析等、様々な病状に対応可能。
お問い合わせは092-558-6021(メディケアホーム南福岡代表)まで