くまクリニックでは、毎月集団栄養指導を行っています。
【実施日】2021年6月21・22日
テーマ:中性脂肪
6月の透析食講座は「中性脂肪」についてお話をさせて頂きました。
血液検査で中性脂肪の数値が高いとき、「なんで高いんだろう?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。食事量が多いこと、運動不足はもちろんですが、そのほかに“食事の内容”が関係してきます。
中性脂肪は「体内にエネルギーを貯蔵する」という役割を持っています。
エネルギーが足りなくなった場合、貯蔵された中性脂肪をエネルギーにかえ、補います。
しかし食べ過ぎたりアルコールを飲むと、中性脂肪の貯蔵が過剰に起こり、脂質異常症になってしまいます。
「脂質異常症」とは、(悪玉)LDLコレステロールや中性脂肪「TG」など血液中の脂質が多すぎる状態を指しています。脂質異常症があると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞の危険度が増します。
脂質異常症は生活習慣(不適切な食生活や運動不足)病の一つです。
アルコールを摂りすぎると肝臓で中性脂肪の合成を促進してしまいます。血中の中性脂肪が高くなるほどアルコールを飲み続けると、善玉HDLコレステロールを低下させる働きがる為、飲みすぎないようにしましょう。
砂糖や果糖は体内で中性脂肪にかわりやすく、とりすぎると中性脂肪は一気に上がります。果物やジュース、菓子類には気をつけましょう。
ラード、バター、ココナッツ油、生クリーム、チーズ、ヨーグルト、牛や豚の脂などは飽和脂肪酸を多く含み、中性脂肪が高くなる原因になります。特に砂糖と油(飽和脂肪酸)を一緒に多量摂取すると上昇します。
脂質には脂肪酸や中性脂肪、リン脂質、糖脂質、コレステロールなどがあり、それぞれに役割があります。なかでも脂肪酸に分類される飽和脂肪酸は血液中の中性脂肪やコレステロールを増加させ、不飽和脂肪酸はそれらを減少させる働きがあります。
中性脂肪を減らすためにおすすめな食品は、
●食物繊維を多く含む食品
●n-3系多価不飽和脂肪酸を多く含む食品
●オレイン酸を多く含む食品
●大豆たんぱく質を多く含む食品
中性脂肪を減らすために控えたい食品は
●飽和脂肪酸の多い食品
●コレステロールの多い食品
●単糖類や二糖類
●アルコールの飲みすぎ
生活習慣病の危険度を上の図を用いてチェックしていただきました。
≪展示食≫
●新生姜ご飯 ●豚しゃぶサラダ
●なめ茸和え ●新牛蒡の旨煮 ●果物
★新生姜のご飯★
<材料>(2人分)
・米 150g
・生姜 20g
・油揚げ 1/2枚
・濃口醤油 小さじ2/3
・薄口醤油 小さじ1
・酒 小さじ1
・みりん 小さじ2/3
・かつお昆布だし 100㏄
・さやえんどう 10g
<作り方>
① 米は洗ってザルにあげておく。油揚げは熱湯をかけて油抜きをしておく。新生姜はよく洗っておきます。
② 新生姜は汚れているところをスプーンでこそげ落とし、皮ごと千切りし水にさらす。 ③ 油揚げは短冊切りにする。
④ さやえんどうは茹でこぼして斜め切りにする。
⑤ 炊飯器に米、油揚げ、生姜を入れたら調味料を加え、1合目の目盛まで水を入れて炊く。
⑥ ⑤が炊けたら皿に盛り、さやえんどうを上に飾る。
⑦ できあがり!
【1人分の栄養価】
エネルギー:267kcal
たんぱく質:5.6g
カリウム :132mg
リン:85mg
食塩 :0.9g
水分:161.6g
★豚しゃぶサラダ★
<材料>(2人分)
・豚肉(スライス) 80g
・酒 小さじ2/3
・薄口しょうゆ 小さじ1/6
・ごま油 2、3滴
・絹ごし豆腐 1/4丁
・カットわかめ 0.6g
・胡麻ドレッシング 大さじ2
・濃口しょうゆ 小さじ1
・穀物酢 小さじ1と2/3
・砂糖 小さじ2/3
・練り胡麻 小さじ1強
・酒 小さじ2/3
・貝割れ大根 10g
<作り方>
① 沸騰した鍋に火を止めてから豚肉スライスを1枚ずつ入れ、茹でる。(ぬるくなってきたら、また沸騰させる。)
② 茹でた豚肉をボウルに移し、酒、しょうゆ、ごま油を入れて混ぜ合わせ、下味をつける。
③ 豆腐は2㎝角に切る。
④ わかめを水で戻し、沸騰した鍋でさっと茹でこぼす。
⑤ 貝割れ大根は石づきをとり、2等分に切ったら水にさらしておく。
⑥ ドレッシングを合わせたら、皿に豚肉と豆腐とわかめを盛り、上からドレシングをかけ、貝割れ大根を盛る。
【1人分の栄養価】
エネルギー:167kcal
たんぱく質:10.3g
カリウム :227mg
リン:134mg
食塩:0.6g
水分 :84.6g
★なめ茸和え★
<材料>(2人分)
・胡瓜 60g
・塩 ひとつまみ
・わかめ 0.4g
・えのきだけ(味付け瓶詰)20g
<作り方>
① <胡瓜は輪切りにして茹でこぼし塩を振る。
② わかめは水で戻し、いくつか包丁を入れ食べやすいサイズにする。
③ 胡瓜、わかめ、えのきを合わせ、皿に盛る。
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【1人分の栄養価】
エネルギー:12kcal
たんぱく質:0.7g
カリウム :228mg
リン:27mg
食塩:0.5g
水分 :36.0g
★新牛蒡の旨煮★
・鶏肉 40g
・ごぼう 60g
・人参 10g
・こんにゃく 30g
・ごま油 小さじ1
・濃口醤油 小さじ1
・酒 小さじ1
・みりん 小さじ2/3
・かつお昆布だし 60g
・さやいんげん 10g
<作り方>
① <鶏肉は一口大に切る。ごぼう、人参、こんにゃくは乱切りにし、それぞれ茹でこぼす。
② さやいんげんは茹でこぼして斜め切りにする。
③ 鍋にごま油を入れ、温まったらとりにくをいれ炒める。
火が通ったらごぼう、人参、こんにゃくを加え炒め、出汁、醤油、酒、醤油、みりんを加えて火にかける。
④ 5~8分ほどで火を止め、少し置く。
⑤ 皿に盛る。
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【1人分の栄養価】
エネルギー:93kcal
たんぱく質:4.4g
カリウム :157mg
リン:49mg
食塩:0.4g
水分 :95.8g
<1食の合計>
エネルギー:539kcal
たんぱく質:21.0g
カリウム :744mg
リン :295mg
食塩 :2.4g
水分 :378.0g
お肉でも茹でこぼしをし、油を除くことで脂質を抑えることが出来ます。
えのき、わかめ、ごぼうといった食物繊維を摂ることで中性脂肪の吸収を抑えることもできます。
いつもと違ったメニューを作ってみませんか?
こちらの献立を参考にぜひ一度、献立を参考に作ってみてください★
管理栄養士 川井康子・島松千智
医療と介護の連携を実現した安心・安全の理想の住まい。
福岡市博多区銀天町のサービス付き高齢者向け住宅・メディケアホーム南福岡です。
隣接のくまクリニックへの通院透析等、様々な病状に対応可能。
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