くまクリニックでは、毎月集団栄養指導を行っています。
【実施日】2022年5月24・25日
テーマ:フレイル
5月の透析食講座は「フレイル」についてお話をさせて頂きました。
「フレイル」とは、加齢に伴う運動機能低下(サルコペニア)や認知機能低下によって活動量が低下し、健康障害を来しやすい心身虚弱状態のことを言います。特に高齢者のフレイルは生活の質を落とすだけでなく、様々な合併症を引き起こし要介護状態に至る可能性があることから、早め早めから予防していく必要があります。近年、高齢化が進んでいる日本では、食事摂取基準(2020年版)の改定案にもフレイル対策としての高齢者の食事摂取目安を盛り込んでいます。
透析患者様は様々な食事制限によって「食べてはいけない」という概念がありますが、高齢化が進む現在では「食事量が足りていない」という患者様も多くいらっしゃいます。リンの数値が上がるからたんぱく質を控えたり、体重が増えるからごはんを減らすことによって体重管理をされている方が多いのです。そうすることによってエネルギーやたんぱく質の摂取が足りなくなり慢性的な栄養状態、また加齢による筋肉量の低下によってサルコペニアになり、さらに筋肉量低下し、身体機能の低下や活動量の低下を招きます。活動量の低下によってお腹が空かなくなりさらに食事量の減少に繋がってしまうのです。このような悪循環のサイクルにならないためにも、自分自身がどのくらい食べてよいのか知ることはとても大切になってきます。
食事はバランスよく食べることが大切です。
食事の内容を見直し、何種類の食材を食べることが出来ているのか確認してみましょう。
また、一日三食きちんと食べることが低栄養を予防するために必要不可欠です。朝食もきちんと食べるようにしましょう。
主食・主菜・副菜と品数を増やし、バランスの良い食事を心がけましょう。
人は加齢によってどうしても筋肉量が減少します。噛む力が弱くなると食事の量が減少してしまい、フレいる状態になる可能性が高くなります。口腔機能を高めて、健康な体作りを行いましょう。
≪展示食≫
●ご飯 ●魚の南蛮漬け
●なめたけ和え●ビーフンソテー
★魚の南蛮漬け★
<材料>(2人分)
・白身魚 2切れ
・酒 小さじ1/2
・塩 1つまみ
・小麦粉 小さじ2
・サラダ油 小さじ2強
A・濃口醤油 小さじ1と2/3
A・みりん 小さじ2/3
A・酒 小さじ2/3
A・砂糖 小さじ1と1/2
A・穀物酢 大さじ1
A・出汁 20cc
B・玉ねぎ 40g
B・赤ピーマン 10g
B・貝割れ大根 10g
・トマト 40g
・レタス 20g
<作り方>
① 魚に酒をふり少し置く。その後キッチンペーパーでふき取り、塩をふる。
② ①に小麦粉をつけ、魚を揚げる。
③ Bの野菜は茹でこぼしておく。
④ Aの調味液を作り、タッパに②の魚とその上にBの野菜をのせたら、調味液を上からかけ漬け込む。
⑤ トマトはくし切り、レタスはちぎって水にさらしておく。
⑥ ④を皿に盛り、⑤の野菜を添えて完成。
【1人分の栄養価】
エネルギー:195kcal
たんぱく質:11.7g
カリウム :345mg
リン:136mg
食塩 :1.0g
水分:125.3g
★なめたけ和え★
<材料>(2人分)
・白菜 80g
・えのきだけ(瓶詰め) 20g
・濃口醤油 小さじ1/3
・みりん 小さじ2/3
・貝割れ大根 10g
<作り方>
① 白菜は細めの短冊切りに、貝割れ大根は石づきを落とし3cm幅に切ったら茹でこぼす。
② 白菜、えのきだけ、醤油、みりんを合わせ、和える。
③ ②を皿に盛り貝割れ大根を上にのせる。
【1人分の栄養価】
エネルギー:20kcal
たんぱく質:1.0g
カリウム :105mg
リン:33mg
食塩:0.5g
水分 :51.9g
★ビーフンソテー★
<材料>(2人分)
・ベーコン 10g
・玉ねぎ 40g
・人参 10g
・ビーフン 20g
・油 小さじ1
・薄口醤油 小さじ1
・料理酒 小さじ2/3
・こしょう 適宜
・小ねぎ 4g
<作り方>
① ベーコンは1㎝幅の角切りにし、茹でこぼす。
② 玉ねぎは薄切りに、人参は細めの短冊切りにする。
③ ビーフンは茹でて戻しておく。
④ フライパンに油をひいたら、ベーコンを入れ炒める。
その後②③を入れ、調味料を加えて味を調える。
⑤ ④を皿に盛り小ねぎを散らす。
【1人分の栄養価】
エネルギー:97kcal
たんぱく質:1.7g
カリウム :64mg
リン:29mg
食塩:0.6g
水分 :32.2g
<1食の合計>
エネルギー:546kcal
たんぱく質:18.2g
カリウム :558mg
リン :249mg
食塩 :2.1g
水分 :299.4 g
彩り豊かな献立になりました。
お魚のレパートリーがなかなかない方、こちらの献立を参考にされてみませんか?
ぜひ一度、献立を参考に作ってみてください★
管理栄養士 島松千智・川井康子
医療と介護の連携を実現した安心・安全の理想の住まい。
福岡市博多区銀天町のサービス付き高齢者向け住宅・メディケアホーム南福岡です。
隣接のくまクリニックへの通院透析等、様々な病状に対応可能。
お問い合わせは092-558-6021(メディケアホーム南福岡代表)まで